睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は、気道の閉塞などが原因で、睡眠中に何回も呼吸が止まる病気です。睡眠時に呼吸が止まると、息こらえをしながら寝ていることになります。
 充分な睡眠時間を確保しても、脳に充分な酸素が行き渡らずに寝不足と同じ状態となります。日中の眠気、注意力低下や倦怠感となりストレスや仕事上のミスを招く原因になります。居眠り運転による事故が問題となっています。
 生活習慣病と合併することが多く、睡眠時無呼吸症候群の方は心臓に負担もかかり、ストレスで血糖値もあがります。高血圧や心疾患、糖尿病が悪化し、脳卒中や心筋梗塞で命を落とす可能性も高くなります。

寝ている間のことなので、1人暮らしではなかなか気がつきにくく進行しているケースがあります。
「しっかり睡眠をとっているはずなのに、なぜか眠い」などの症状があれば当院を受診してください。


こんな症状のある方はすぐ受診を

いびきをいつもかく
睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
夜中に目が覚める
夜間頻尿がある
朝起きた時、口が渇いている、のどが痛い
いつも眠い、居眠りする
だるい、疲れる
仕事に集中できない
肥満である
高血圧の薬が効かない
心臓病や糖尿病がある

当院の治療の流れ

  1. ①クリニックで診察
    • 睡眠時無呼吸症候群の問診票の記入
    • 鼻、咽 頭、口腔、顎などの状態を確認
    • 鼻炎などの疾患があれば治療開始
  2. ②自宅で【簡易睡眠検査】

    2晩ほど、自宅で検査機器を取り付けて寝ているときの呼吸状態や酸素飽和度、いびき、体位などを測定します。検査機器は貸し出しもしくは自宅にお届けします。検査料は3割負担で3000円ほどです

  3. ③クリニックで診療
    【簡易睡眠検査の結果】
    • 正常~軽度の場合

      経過観察、口腔内装具の作成(他院を紹介)、横向きで寝る工夫、減量、アルコール摂取を控えるなどの対策。

    • 中等度~重症の場合

      病院に泊まり込みで行う精密検査(終夜ポリグラフィ:PSG)を紹介。

    • 最重症の場合

      CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)開始。扁桃肥大や鼻づまりの原因疾患がある場合は、手術治療をお勧めすることもあります。

  4. ④CPAP治療(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)の継続

    保険診療です。毎月当院に受診していただき、使用状況・治療効果を確認します。CPAPの指導管理料がかかります。

    ※CPAP(シーパップ:持続陽圧呼吸療法)

    Continuous Positive Airway Pressureの頭文字。

    専用の機器を睡眠時に使用します。対症療法のため、無呼吸の原因が改善されない限り、使用を続けます。